椎名林檎 – 獣ゆく細道


椎名林檎 - 獣ゆく細道

獣ゆく細道

椎名林檎

作曲︰椎名林檎
作詞︰椎名林檎

歌詞

この世は無常 皆んな分かつてゐるのさ
誰もが移ろふ さう絶え間ない流れに
ただ右往左往してゐる

いつも通り お決まりの道に潜むでゐるあきのよる
着脹れして生き乍ら死んぢやゐあないかとふと訝る
飼馴らしてゐるやうで飼殺してゐるんぢやあないか

自分自身の才能を あたまとからだ、丸で食い違ふ
人間たる前の単に率直な感度を頼つてゐたいと思ふ
さう本性は獣 丸腰の命をいま野放しに突走らうぜ

行く先はこと切れる場所 大自然としていざ行かう
そつと立ち入るはじめての道に震へてふゆを覚える
紛れたくて足並揃へて安心してゐた昨日に恥ぢ入る

気遣つてゐるやうで気遣わせてゐるんぢやあ 厭だ
自己犠牲の振りして 御為倒しか、とんだかまとゝ
謙遜する前の単に率直な態度を誇つてゐたいと思ふ
さう正体は獣 悴むだ命でこそ成遂げた結果が全て

孤独とは言ひ換へりやあ自由 黙つて遠くへ行かう
本物か贋物かなんて無意味 能書きはまう結構です
幸か不幸かさへも勝敗さへも当人だけに意味が有る

無けなしの命がひとつ だうせなら使ひ果たさうぜ
かなしみが覆ひ被さらうと抱きかゝへて行くまでさ
借りものゝ命がひとつ 厚かましく使ひ込むで返せ
さあ貪れ笑ひ飛ばすのさ誰も通れぬ程狭き道をゆけ

発売日:2018 10 02

椎名林檎が新曲「獣ゆく細道」でコラボレーションする相手が宮本浩次(エレファントカシマシ)であることが発表された。

「獣ゆく細道」は10月1日にリニューアルする日本テレビ系「news zero」のテーマソングとして椎名が書き下ろしたもの。宮本とのコラボに至った経緯について彼女は「こうしてアイデンティティを持ち始めた曲が、或る詩人の筆致を求めていることに、私はじき気付きました。その人物がこれまで発して来たメッセージを、この曲の中で一度、私なりに要約できないだろうかと考えたのです。そのうえ、一緒に唄ってもらえたらどんなによいだろう、とも」と説明している。

「獣ゆく細道」は本日10月2日にiTunes Store、レコチョクなどの主要配信サイトおよびサブスクリプションサービスにて配信開始。あわせて同曲のミュージックビデオがYouTubeで公開された。映像監督を務めた児玉裕一は、今作のMVについて「自分自身と孤独に闘い続ける獣。その生き様を垣間見てしまったときの瞬間が、ヤバさが、しっかりとこの映像に刻まれたと思います」とコメントした。さらに「獣ゆく細道」の特設サイトもオープンしたので、ファンはこちらもチェックしておこう。

— この度は改装される好機に、主題曲をご注文くださりありがとうございます。
喜び勇んでお受けしたもののいざ取り掛かろうとしましたらいきなりぽつねんとひとり、果てしない荒野へ取り残されたような不安に苛まれました。おそらく生きるとは、こういうことです。それで、今回は、まさにその真っ暗な所から、見通しの利く所へ辿り着くまでの道程を描くことにしました。

これを書くに当たっての私にはロシアW杯に於ける西野ジャパンの選手らの名プレイも過りました。特に、手足の長いベルギー選手らの中で堂々たるゴールを決めた乾の、肉体とその姿勢をはじめとするいろいろです。脳天から爪先まで知性を宿す彼らみな兎に角眩しかった。そこに至る彼らの目にした風景を想像する過程が本作にとっては何か正当な近道に思えたのでした。

こうしてアイデンティティを持ち始めた曲が、或る詩人の筆致を求めていることに、私はじき気付きました。その人物がこれまで発して来たメッセージを、この曲の中で一度、私なりに要約できないだろうかと考えたのです。そのうえ、一緒に唄ってもらえたらどんなによいだろう、とも。それらの結果は番組放映時どうぞみなさまご自身の感覚でお確かめくださいませ。– 椎名林檎